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初めての一人暮らし、家賃6万円の部屋選びで失敗した3つのこと
2019年4月、社会人1年目の春。京都から大阪に出てきた僕は、人生で初めて自分だけの部屋を借りた。予算は家賃6万円まで。当時の手取りが19万円で、「家賃は収入の3割以内」というどこかで読んだ目安を信じていた。
結果から言う。入居から半年で後悔した。いま思い返すと、失敗の原因は明確で、すべて「内見で確認しなかったこと」と「勢いで決めたこと」に尽きる。これからはじめて部屋を探す人に、同じ失敗をさせたくないので全部書いておく。
SUUMO・HOME’Sでの部屋探し、どうやって絞り込んだか
最初にSUUMOとHOME’Sを並行して使った。エリアは大阪市内、北摂方面で探したが、会社が心斎橋にあったため最終的に福島区に絞った。条件入力の時点で迷ったのは「築年数」の扱いだ。築30年を超える物件は家賃が安い代わりに設備が古い。最初は「築10年以内」にフィルターをかけたが、それだと6万円ではほぼ引っかからない。結局「築20年以内」に広げて探すことになった。
SUUMOで最終的に内見候補に残したのは6件。HOME’Sはインターフェースが少し違っていて、「こだわり条件」の絞り込みが細かい印象だった。宅配ボックスの有無、独立洗面台、追い炊き機能など、設備条件をチェックできる点が便利だった。ただ同じ物件が両方に掲載されていることも多く、最終的には気になった物件を不動産会社に直接問い合わせる方が早かった。
物件情報には「写真詐欺」が普通に存在する。広角レンズで撮影された写真は実際より部屋が広く見える。6畳と表記されていても、押し入れや収納面積が含まれているケースがある。これは現地に行くまでわからない。
失敗その1 — 騒音を確認しなかった
内見に行ったのは平日の昼間だった。静かだった。窓を開けると近くに公園があって、緑も見えた。「いい雰囲気じゃないか」と思って即決した。
入居後、初めての土日に気づいた。公園でサッカーをやっている少年たちの声が、窓を閉めても丸聞こえだった。週末の朝9時から夕方まで続く。隣の部屋からも深夜にテレビ音が漏れてきた。壁が薄いのだ。築22年、鉄筋コンクリート造とは書いてあったが、内壁の仕様までは確認していなかった。
騒音の確認方法として今なら必ずやることがある。内見は平日昼間だけでなく、週末の朝か夜に別途確認すること。それが難しければ、少なくとも壁をノックして厚みを確認する。コンコンと軽い音がするならかなり薄い。ドンドンと重い音なら比較的厚い。完全ではないが、感触はつかめる。
失敗その2 — 日当たりを時間帯で確認しなかった
内見時は午後2時ごろだった。南向きの部屋で光が入っていて、「これは日当たり良好だな」と判断した。が、入居してから気づいた。隣のマンションが真南に建っており、午前中はほぼ日が入らない。午後2時は太陽の角度がちょうどビルの隙間を通ってくる時間帯だったのだ。
冬になると日照時間がさらに短くなり、洗濯物が全然乾かない。室内干しにするしかないが、換気が悪いと湿気がこもる。湿度計を買ったら常時65%を超えていて、結露も出た。
日当たりの確認は午前10時と午後4時の2回行くのが理想だ。それが無理なら、Googleマップのストリートビューで周辺のビル高さを確認しておく。南向きでも南側にすぐ高層建物があれば意味がない。物件資料に「南向き」と書いてあっても鵜呑みにしない。
失敗その3 — 収納量を実際の荷物量と照らし合わせなかった
1Kの6畳、クローゼット1本。「一人暮らしだし、これで十分だろう」と思っていた。しかし引っ越し後に荷物を入れてみると、服だけでクローゼットが埋まった。実家で使っていたスチールラックも持ってきたが、置き場所がない。
内見のとき、クローゼットの奥行きを測っていなかった。後から測ったら奥行きが45cmしかなかった。ハンガーにかけた服を縦に入れると手前にはみ出る。衣類圧縮袋を多用するしかなくなった。
収納は「個数」ではなく「実寸法」を確認することが重要だ。クローゼットなら奥行き60cm以上あれば服のハンガー収納に使える。45cm以下は折りたたみ収納前提と考えた方がいい。
内見チェックリスト(実際に使えるもの)
失敗を経て、次の物件探しで使ったチェックリストを公開する。
建物・部屋の状態
- 壁をノックして厚みを確認する(軽い音=薄い)
- 窓を開けて周辺音を聞く(交通量、工場音、学校の近さ)
- エアコン設置箇所の位置と電圧(200V対応か)
- コンセントの数と位置(各部屋に最低4口は欲しい)
- 水回り:排水の流れ速度、シャワー水圧、給湯温度の上がり具合
- クローゼット・押し入れの実寸法(奥行き・幅・高さ)
- 窓の向きと周辺建物の高さ(Googleマップで事前確認)
- 玄関ドアの防音性(廊下の音がどれだけ聞こえるか)
- 床の傾き(スマホの水準器アプリで確認)
- 天井・壁のシミ・カビ痕(雨漏り・結露の証拠)
設備・環境
- インターネット回線の種類(光回線引き込み済みか、VDSL方式か)
- 宅配ボックスの有無と個数(棟全体で何戸に対して何個か)
- 駐輪場の空き状況と料金
- ゴミ捨て場の場所・分別ルール・回収曜日
- 最寄りのスーパー・コンビニまでの実際の徒歩時間(地図の表示ではなく実測)
- 携帯の電波(地下や建物の角は弱いことがある)
初期費用の内訳、実際にかかった金額
家賃6万円の物件で実際にかかった初期費用の内訳を公開する。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 敷金 | 60,000円 | 家賃1ヶ月分 |
| 礼金 | 60,000円 | 家賃1ヶ月分(返ってこない) |
| 仲介手数料 | 64,800円 | 家賃1.1ヶ月分(消費税込み) |
| 前家賃(翌月分) | 60,000円 | 4月入居で4月分+5月分 |
| 日割り家賃 | 18,000円 | 4月15日入居、残り半月分 |
| 火災保険 | 19,800円 | 2年分、不動産会社指定のもの |
| 鍵交換費用 | 16,500円 | ディンプルキーに交換 |
| 保証会社 | 30,000円 | 家賃の0.5ヶ月分(初回) |
| 合計 | 329,100円 |
33万円弱。正直きつかった。4月の給与が出る前に親からの援助で乗り切った。この金額を見て驚く人も多いと思うが、関西圏では礼金1ヶ月が普通に残っていて、しかも仲介手数料が1.1ヶ月かかるのが一般的だ。
後からわかったことだが、火災保険は自分で別途加入すれば同等補償で年5,000円台から選べる。2年19,800円の保険は完全に割高だった。鍵交換も相場は1万円前後なのに、16,500円取られている。交渉次第で削れた項目がいくつかある。
次の引っ越しでやり直したこと
最初の失敗から2年後、2021年に2回目の引っ越しをした。このとき意識したのは3点だ。
まず内見を2回行った。1回目は不動産会社のスタッフと一緒に昼間に、2回目は一人で夜間に周辺を歩いて確認した。夜の雰囲気、街灯の数、帰宅時に感じる安全感を自分で判断したかった。
次に、スマホのメモアプリに内見チェックリストを入れておき、確認漏れをなくした。内見の興奮でつい忘れがちな項目を、機械的に全部チェックした。
最後に、初期費用の各項目について事前に相場を調べ、高い項目は交渉した。火災保険は自分で入ることを最初から伝え、鍵交換は「前入居者と変わるなら理解できるが、費用負担の根拠を教えてほしい」と聞いた。結果として初期費用は最初より9万円ほど安く済んだ。
部屋探しは情報量と準備量が直接コストと満足度に影響する。最初の失敗は知識がなかったからであり、それは仕方がない。ただ、同じ轍を踏まないために記録しておく価値はある。これを読んだ人が一つでも準備を増やして動いてくれれば、書いた甲斐がある。
